Color SSTV Scan Converter 関係の実験記録

SSTV はカラー画像データーを音声周波数帯のSSTV 信号に変換するスキャンコンバーター(以下SC)と呼ばれるハードウエアを介して通信を行っていましたが,ここ数年間で,パソコンのサウンドカードを「無線機との入出力のインターフェイス」としたSSTV 用のソフトウエアが多数開発されSSTV はパソコンさえあれば通信ができる身近なモードになりました。

ソフトウエアは海外で開発されたものを使用していましたが,今年になり国産ソフトで非常に使いやすく高機能な「MMSSTV」と言うソフトが登場し,現在、国内はもとより海外でも,このソフトが主流になっています。

SSTV は今から43 年前の1958 年に考案され,1980年代の前半まではオシロスコープの画面程度のサイズである残光性CRTを使用したモノクロ画像の時代が続きました。

私も学生時代に,残光性CRTを探し,SSTVモニタを製作しようとしていましたがなかなか完成に至りませんでした。

社会人になり某メーカーへ勤務して仕事に夢中で無線休止状態でしたが,1980年半ばになり家の都合で実家に戻り無線を再開したとき,ローカルのOMから旨く使えないので差し上げるということで東京電子工業のSS−727C(カメラ)とSS−727M(モニタ)を譲り受けいろいろと試行錯誤してやっとCQの画像を受信するのがやっとのことでした。

旨く受信できない原因は,SSTVのモードが進化していたのです。

米ロボットリサーチ社から、カラーSC(Robot 1200C)が発売になり一般のカラーTV画面サイズでカラー画像を楽しめる時代に突入していました。しかし高価な完成品を購入しなければならず、一部のマニアの通信モードでした。

1980年代末に,Robot 1200C のクローンであるSC-87が国内の有志により開発され,JA でカラーSSTV が普及し始めました。

この頃は,Robot 1200Cの回路構成や動作モードの仕組みについて解析することに関心があり,SC-87を製作し,画像メモリー増設や画質改善,パソコンとのインターフェーズなど機能を追加していました。

電波を出すことよりもハードウェア内部の仕組みとファームウェアの解析がパズルを解くのと同じように興味深く,逆アセンブルして動作モードとプロトコル,信号処理についての動作を調べていました。

一部の先進的なOMたちは,Robot 1200Cに新たなファームウェアを搭載して新たな画像モードで通信したり,さらにドータ・ボードによるハードウェア追加によりマウスオペレーションが可能になり画像処理もできている,との情報が届き,強い関心を抱きました。

その後,とあるOMよりファームウェア(スコッティROMとマーチンROM)と追加ハードウェアを1週間お借り出来る機会があり,短時間でしたがファームウェアの仕組みとハードウェアの動作を適当に解析し各部のタイムチャートを書き出し,論理回路を合成し同等機能の回路を入手可能な部品や汎用ロジック等で構成しました。(いい表現ではありませんが自分の関心ある部分を確認するためのリバースエンジニアリングです。)

そのことについて,ハムフェアに参加したときに話題になり,MH編集部からの誘いで,掲載したのが以下の記事です。

今となっては,ここまでやる元気はありませんし,ほとんどの方は関心がないでしょうが,参考のために掲載します。

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